2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、通訳ガイド(通訳案内士)の仕事が注目を浴びています。
そこで、通訳ガイドの仕事内容、通訳ガイドに必要なスキル、実際に仕事をするにはどうしたらいいのかを解説していきます。
目次
通訳ガイドの仕事内容
通訳ガイドは、観光やビジネス目的で来日した外国人を有償でサポートする仕事です。
一般的な通訳と異なるのは、純粋に相手の言葉を訳してコミュニケーションの橋渡しをするのではなく、自分の言葉で案内をするという点です。
さらには、空港から宿泊先への送迎や手続きなどのサポート、訪問先への同行などの添乗員の業務もこなします。
通訳ガイドには資格が必要
通訳ガイドの仕事をするためには、通訳案内士試験に合格し、各都道府県に登録することが必要でした。
しかし、年々増加する訪日外国人観光客に対応すべく、観光庁は見直しを進めています。
詳しくはこれからは無資格でもOK?通訳案内士(通訳ガイド)の制度変更で有資格者は無資格者より優遇されることもにまとめていますのでご覧ください。
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これからは無資格でもOK?通訳案内士(通訳ガイド)の制度変更で有資格者は無資格者より優遇されることも
今後は誰でも通訳ガイドが有償でできることになります。 では具体的にどう変わるのでしょうか? - Sp ...
とは言え、通訳案内士試験は国土交通省が管理している語学系唯一の国家資格であり、制度変更となったとしても、無資格者との差別化を図り収入を安定させるためにも是非とも合格しておきたい試験です。
ニーズは多種多様でビジネス需要もある
通訳ガイドの仕事は、団体客・ツアー客だけでなく個人客をガイドすることもあり、数日間つきっきりのこともあれば数時間で終了することもあるなど、仕事内容は様々です。
また、観光ガイドのほか、企業や工場などの訪問や見本市の見学などビジネス色の強い仕事もあります。
仕事の量は、訪日外国人の人数、企業の景気動向、為替動向などに左右されますが、繁忙期は観光シーズンの春と秋で、今後も通訳ガイドの需要は増加していくといわれています。
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通訳ガイドに必要なスキルとは?
通訳ガイドに必要なスキルは語学力だけでなく、日本の歴史や地理、文化などの知識、観光客をもてなすホスピタリティ、トラブルが起こっても柔軟に対応できる対応力なども必要になります。
語学力
通訳ガイドには、リスニング、スピーキングなど高い語学力が求められます。
また日本の魅力を外国語でアピールするためのプレゼンテーション能力も必要になります。
TOEICは何点以上必要?東京オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアに求められる英会話能力とは?でも紹介していますが英語で言えば、TOEIC840点以上が目安となります。
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TOEICは何点以上必要?東京オリンピック・パラリンピックの通訳ボランティアに求められる英会話能力とは?
2020年に東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。 この機会にボランティアなど色々な形で ...
知識・調査力
従来の日本の名所・旧跡を案内する観光ガイドだけでなく、現在の日本のカルチャー(クールジャパン)のガイドを求められることも多々あります。
日本のマンガやアニメ、メイド喫茶などのライフスタイルにもアンテナを張り、幅広い分野を紹介・案内できるよう情報収集する必要があります。
ホスピタリティ
訪日外国人観光客が日本滞在時に快適に過ごせるかどうか気を配るのも通訳ガイドの大切な仕事です。
そのために、観光客を楽しませる「おもてなしの心」が求められます。
通訳ガイドの仕事は接客業の要素が強いため、語学ができるだけでは務まらず、資質や性格によっては向き・不向きがある仕事かもしれません。
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通訳ガイドの仕事をするにはどうしたらいいの?
通訳ガイドの仕事をするには、現時点(2017年1月)では1年に1回の国家試験「通訳案内士試験」に合格しないといけません。
通訳案内士試験の詳細については【資格・試験・免除項目】東京オリンピックのボランティアで注目を集める「通訳案内士」とは?をご覧ください。
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【資格・試験・免除項目】東京オリンピックのボランティアで注目を集める「通訳案内士」とは?
2020年の東京オリンピック・パラリンピックのボランティアで注目を集める「通訳案内士」の資格について ...
しかし、試験合格は通過点にしかすぎません。
実際に通訳ガイドとして仕事をスタートさせるためには、自治体に登録をして免許を交付してもらい、通訳ガイドの団体が主催する新人研修などでガイドのコツなどを学ぶ必要があります。
通訳ガイドの新人研修を行っている関連団体
通訳案内士(通訳ガイド)実務研修会等のご案内
通訳ガイドを受注するためには
通訳ガイドの仕事は、外国人向けの国内旅行(インバウンド)を取り扱っている旅行会社、旅行業に強い人材派遣会社、政府が招聘した外国人をサポートする政府関連機関などから仕事を受ける必要があります。
主な旅行会社と人材派遣会社
JTB グローバルマーケティング&トラベル
旅行会社それぞれにアプローチすることも必要ですが、転職サイトで一括管理をすることで手間を省くこともできます。
まずは無料登録をして、自分に合う会社を探してみましょう。
主な政府関連機関
一般的に通訳ガイドはフリーランスなので、旅行会社や通訳ガイドを派遣している人材派遣会社に登録して、仕事を受注します。
エージェントに登録したら、基本的には仕事の依頼を待つことになります。
また、宣伝用ホームページを自分で開設して、訪日外国人からガイドの依頼を直接受けている人もいます。
収入が安定するまでは別の仕事との掛け持ちも
通訳案内士の仕事は不安定です。
閑散期もありますし、新人ならさらに仕事は少ないでしょう。
生活を安定させながら、オファーが来たときにも対応できるように、時間の融通のきく仕事を選ぶことも必要です。
通訳案内士の1日のスケジュールや生活スタイルを確認して、どうすれば安定的に稼げるようになるかを考えておきましょう。
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通訳案内士の1日のスケジュールと生活スタイル
通訳案内士の国家資格と取って、いざ仕事をするとなると、どのような1日のスケジュールになるのでしょうか ...