通訳の仕事は、経験・キャリアによって請ける内容が異なります。
そこで、レベル別に請けることができる仕事の内容や具体的な仕事について解説していきます。
目次
レベル1 入門レベル
逐次通訳が可能で、通訳実務の経験は乏しいレベル
通訳というより、語学力を必要とする仕事からスタートしましょう。
派遣会社や通訳スクールの紹介などで、アテンド通訳※や会議スタッフなどの仕事を単発で請けることが多いレベルです。
※ アテンド通訳とは?
外国人の移動や食事などに付き添い言語のサポートを行い、目的地での簡単な通訳も担当します。
具体的な仕事例
アテンド通訳
国際会議の語学スタッフ(会議場の受付、クローク、インフォメーションなどでの対応) など
レベル2 新人クラス
通訳経験2~3年程度で、逐次通訳が安定してできるレベル
接客をともなう通訳が多く、技術に加えてホスピタリティが求められます。
仕事のほとんどが逐次通訳※です。
※ 逐次通訳とは?
逐次通訳では、例えば英語での発言者が一区切り発言し、通訳者がその部分を日本語に訳すことを繰り返します。
記者会見や外国人とのインタビューで、適度に区切りながらその都度訳していく、というような形態なので、発言時間の2倍時間がかかります。
具体的な仕事例
展示会や見本市のブース付き通訳
レセプションでの通訳
国際会議のランチやディナーでの通訳
視察通訳(ビジネス目的で来日した外国人の企業訪問や工場見学時)
社内通訳※ など
※ 社内通訳とは?
社内通訳者は「インハウス」とも呼ばれ、一定期間、特定の企業で通訳者兼秘書もしくは通訳者兼翻訳者として勤務し、経験者は通訳選任として常駐勤務も可能。
レベル3 一般通訳クラス
フリーランス経験2~3年で、逐次通訳が安定していて同時通訳・ウィスパリングも可能なレベル
通訳技術のみを提供する仕事が増加します。
逐次通訳の他、ウィスパリングも増えてきます。
具体的な仕事例
セミナーや研修での通訳
社内会議での通訳(企業内ミーティングなど)
商談通訳(ビジネス交渉の場での通訳) など
レベル4 中堅クラス
フリーランス経験5年以上で、一般通訳で経験を積み、安定した逐次通訳の能力があり、同時通訳も可能
ほぼ通訳技術のみを提供する仕事となります。
様々な分野の専門知識を必要とする通訳の仕事も増加します。
具体的な仕事例
VIP付き通訳(内容を問わず、VIPにはベテラン通訳が付く)
記者会見の通訳(逐次通訳が多いが同時通訳もあり)
IRロードショー通訳(投資家への説明時の通訳)
インタビューの通訳 など
レベル5 トップクラス
フリーランス経験10年以上で、同時・逐次いずれも安定しており、どんなジャンルの通訳もこなすレベル
大勢の人を前に通訳をする仕事が増えます。
「会議通訳者」と呼ばれるようになります。
具体的な仕事例
会議通訳(大小さまざまな国際会議での同時通訳)
各種シンポジウム
政府間協議の通訳 など
目指すところは最後の「トップクラス」でしょう。
しかし、人にはそれぞれ向き不向きや得意不得意があります。
あなたの目指すところをしっかりと見極め、その目標に向けてコツコツと地道に努力をしていきましょう。