日本国内を観光すると、ガイドさんがその土地の歴史や観光名所などの説明や案内をしてくれます。
外国人観光客が日本を観光するときには、通訳ガイド(通訳案内士)が外国語を使って日本各地の観光案内を行います。
この場合の「通訳」とは、単に日本語を外国語に通訳するということではなく、外国語を使って ”自分の言葉を使って” 観光案内をします。
ですから、外国人観光客に対する説明や案内は、日本人への説明や案内とは切り口が異なることは当然で、それなりの技術も必要になってきます。
目次
通訳ガイド(通訳案内士)は外国語で日本を紹介します
外国人観光客に日本を案内することは、日本から世界へ向けた情報発信の1つの手段でもあります。
そのため、国は一定の素養のある人に登録を義務付け、その質を維持しようと、通訳ガイドには国家試験(通訳案内士試験)を義務付けています。
ですから、当然のことながら通訳ガイドは日本をよく知っていなければなりません。
また、通訳ガイド自身に日本に対する十分な理解と愛着がなければ、聞く人に正しい日本の姿は伝わりませんし、感動を与えることもできません。
日本には、2000年の歴史に育まれた独自の文化と数々の文化遺産、美しい自然と四季、先端技術を取り入れたダイナミックでエネルギッシュな大都市など、世界的に見ても誇るべく素晴らしい観光資源がたくさんあります。
通訳ガイド(通訳案内士)は日本のホスト役としての存在でもあります
世界には190以上の国と地域がありますが、その中から「日本を見てみたい」「日本を知りたい」と、実際に日本を選び日本に関心を持って来日する外国人観光客がたくさんいます。
この人たちの知的好奇心を十分に満たし、同時に日本国のホストとして、ホスピタリティの精神とサービス精神を持って、日本という異国で快適に過ごしてもらえるよう、常に心掛けて対応するのが通訳ガイドの仕事です。
国際社会においては、まだまだ誤解されがちな日本文化ですが、通訳ガイドが外国人観光客を温かく迎え、同じ人間同士の心の交流を通じて、日本や日本人をより深く理解し、好意的な印象を持って帰国してもらうことができれば、世界各地に ”日本びいき” の外国人が増えていくことに繋がります。
このことから、通訳ガイドは、民間の外交官だとも言われています。
通訳ガイド(通訳案内士)は旅の演出家
通訳ガイドは外国語を使う職業ですが、通訳のように第三者の話している内容を転換するのではなく、自分で話を構築し、自分の言葉で話します。
どんな風に説明したら外国人観光客に興味深く聞いてもらえるか、理解してもらえるかと、工夫をこらして話を組み立てて、あなた自身の味付けをしながら旅の演出をします。
通訳ガイドは旅に付加価値をつけ、旅の思い出づくりの手助けをするのが使命です。
通訳ガイド(通訳案内士)の仕事場は日本全国
通訳ガイド(通訳案内士)の仕事は、毎日同じ時間に電車に乗り、オフィスでパソコンや書類を相手にする仕事ではありません。
国籍、年齢、性格、興味も異なる外国人観光客と、しかも毎回違う外国からの観光客と、ときに宿泊を共にしながら日本各地を移動しつつ働く仕事です。
職場が ”日本全国” なため、それだけ変化に富んだ面白い仕事だとも言えますが、生きた人間相手の仕事だけに(特に外国人相手)、予期せぬ出来事や天候、交通機関に起因したトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
決められた旅程の中で、現地の状況を的確に判断し、問題を処理するための臨機応変さが求められます。
通訳ガイド(通訳案内士)の仕事はどうやって受注したらいいのかは、以下にわかりやすくまとめていますのでご覧ください。
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