通訳ガイドの仕事は女性と男性どちらが多いのでしょうか?
また、なぜ女性が活躍できるのでしょうか?
通訳ガイドに向いている ”女性の強み” とは?
1970年代までは、男性の通訳ガイドが多く見られましたが、現在では通訳ガイドの約80%が女性です。
通訳ガイドになるための最低条件は、日本を案内するための十分な語学力を持ち合わせているということです。
大学で外国文学や外国語を専攻した人の多くは、語学を生かした職業に就きたいと考えるようですが、大学で外国文学や語学を専攻する人には圧倒的に女性が多いため、必然的に通訳ガイドには女性が多くなるようです。
それだけではなく、通訳ガイドは ”サービス業” であるため、人当たりがソフトできめ細やかな心遣いのできる女性に適した職業とも言われています。
また、高齢化とともに高齢の女性が旅行に行く機会が増え、世界各地を旅して余生を楽しもうという女性も増えています。
通訳ガイドは、観光地を説明して案内するだけでなく、異国における旅行中の ”世話係” でもありますので、高齢の女性の観光客は通訳ガイドが同性だと安心感を抱かれる場合が多く、実際に好まれています。
時代の流れも後押し
ひと昔前には、通訳ガイドの仕事には、重たくて大きなスーツケースを運ぶことも重要な仕事であった時代もありました。
これは、裕福な夫婦の個人旅行が多かったうえ、日本にはまだ今のように高速道路もなく、主な旅行の移動手段が列車だったために、移動時にスーツケースを運ぶ必要があったからです。
通訳ガイドに女性が増えた背景には、女性の社会進出の影響もありますが、このように高速道路の完成とそれに伴う宅急便の普及が、移動時のスーツケースを運ぶ仕事を減らし、女性通訳ガイドの活躍を可能にしたとも言えます。
働き方の柔軟性
どんな職業でも、家庭を持ちながらキャリアを追及する女性の多くが、家庭と仕事との両立をどのようにするかという問題に直面します。
通訳ガイドも同様ではありますが、他の職業と大きく異なるところは、家を長期間にわたって留守にするところです。
小さい子がいる家庭、両親の介護がある家庭、そうでなくても家をいつも留守にしていると家庭崩壊の危機もあり得ます。
しかし、通訳ガイドの仕事は働き方を自分で決めることもできます。
長期の仕事は無理な場合には日帰りの仕事を優先したり、もちろん稼働日数や時間が少なくなれば収入は減りますが、それでも思うように働けるようになるまでは、自分のライフスタイルに合わせて仕事を選択することも可能です。
このように、ライフスタイルによって家庭と仕事のバランスを考えながら働くことができる通訳ガイドの仕事は、女性にとって好都合な仕事と言えます。
グローバルな視点を持つ女性に最適
女性の社会進出が目覚ましい昨今ですが、それでもまだ多くの企業やビジネスには少なからず男女差別が存在しています。
しかし、通訳ガイドの世界にはそのような差別はほとんど見られません。
年齢、性別、学歴、国籍、どれも問われません。
仕事を通じて、世界の様々な人と出会い、日本を外国人観光客に紹介するという仕事柄、自然に ”世界の中の日本” という目で日本を再確認するようになり、その結果、グローバルな視点で広いものの見方ができる女性になれる職業だといえます。
グローバルな視点という意味では、同じようにツアーコンダクターの仕事にも通じるものがあります。
コミュニケーションスキルやホスピタリティを学ぶには、こちらももし経験する機会があれば経験しておきたい職業の1つです。
通訳ガイド(通訳案内士)とツアーガイドの違いについては通訳案内士とツアーコンダクターの違いとは?通じるところはあるの?にまとめていますのでご覧ください。
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