通訳案内士とツアーコンダクターを混同してしまう人がいますが、これは通訳案内士(通訳ガイド)とツアーコンダクター(ツアーガイド)という通称を混同してしまうことが原因の1つとされています。
そこで、ここでは、通訳案内士とツアーコンダクターの違いについてわかりやすくまとめていきます。
目次
通訳案内士とツアーコンダクターの資格の違い
この章でのポイントまとめ
通訳案内士は観光庁長官が行う試験に合格して取得する国家資格
ツアーコンダクターは旅程管理主任者資格(国内・国外)
資格取得のハードルが低いのはツアーコンダクター
ツアーコンダクターは短期間で取得でき、スキルアップに使える
通訳案内士
観光庁長官が行う通訳案内士試験に合格すると取得できる国家資格
ツアーコンダクター
国内旅行のみ添乗できる「国内旅程管理主任者」と、国内に加え海外旅行の添乗も可能な「総合旅程管理主任者」
通訳案内士資格を取得せずに有償でガイドをした場合、現在の通訳案内士法では1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
しかし、2016年の閣議決定により、今後は無資格でも有償でガイドができるようになります。
詳しくはこれからは無資格でもOK?通訳案内士(通訳ガイド)の制度変更で有資格者は無資格者より優遇されることもにまとめていますのでご覧ください。
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これからは無資格でもOK?通訳案内士(通訳ガイド)の制度変更で有資格者は無資格者より優遇されることも
今後は誰でも通訳ガイドが有償でできることになります。 では具体的にどう変わるのでしょうか? - Sp ...
ツアーコンダクターの資格取得から現場に出るまで
旅程管理主任者資格を持っていない人が一人で添乗業務を行うことは旅行業法で禁止されています。
そのため、ほとんどのツアーコンダクターは旅行会社に就職したり、派遣会社にツアーコンダクターとして登録したのちに、この資格取得を目指すことになります。
資格を取得して現場に出るまでには、おおむね以下のような流れを取ることになります。
- 添乗員派遣会社に登録する
- 基礎添乗業務研修を受講する
※基礎添乗業務研修はe-ラーニング(パソコン)で受講可能 - 国内または総合旅程管理研修を受講する
※国内旅程管理研修は2日間、総合旅程管理研修は3日間 - 修了者に修了証書を交付する
- 添乗員実務を経験する
※添乗実務は次のいずれかを経験する必要があります
1.実際のツアーに補助添乗員として同行すること。
2.手配旅行に添乗員として同行すること。
3.登録会社の研修ツアーに参加して研修を受けること。
4.協会主催の研修ツアーに参加して研修を受けること。※旅程管理研修修了日の前後1年以内に一回以上、
または、旅程管理研修修了日から3年以内に二回以上 - 現場デビュー
※最初は国内、経験を積んで海外へ
このように、比較的資格取得のハードルが低いのがツアーコンダクターの特徴の1つでもあります。
短期間で一気にスキルアップして、コミュニケーションスキルとホスピタリティを身に付けましょう。
通訳案内士とツアーコンダクターの仕事内容の違い
この章でのポイントまとめ
通訳案内士は外国人観光客に対して、ツアーコンダクターは日本人相手に仕事を行う
「相手を思いやり、楽しい観光していただく」という意味では、どちらにもホスピタリティが必要という点は通じている
通訳案内士になる前に、ツアーコンダクターとしてホスピタリティを学ぶことは有利に働く
ツアーコンダクターの説明会は無料で全国で開催されている
日本を訪れた外国人観光客に対して、「外国語を使って」日本の文化や歴史、生活習慣等に関する案内をする仕事。
観光目的で来日した外国人観光客をガイドする際は、外国人観光客に楽しんでもらえるような時事ネタを交えて観光地の魅力を伝えたり、相手の疑問に答えたりしながら、日本に対する理解を少しずつ深めてもらいます。
通訳案内士に必要なスキルなどは通訳ガイドに必要なスキルとは?仕事をするにはどうしたらいいの?にまとめていますのでご覧ください。
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通訳ガイドに必要なスキルとは?仕事をするにはどうしたらいいの?
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、通訳ガイド(通訳案内士)の仕事が注目を浴びていま ...
旅行会社が企画・手配を行ったツアー(海外・国内)に同行し、搭乗する航空機やホテルのチェックイン、宿泊先や食事場所の手配・確認などを主に行う仕事。
基本的に同行相手は日本人です。
旅行会社に所属して働く人もいれば、ツアーコンダクター専門の派遣会社等に登録し、ツアーごとに依頼を受けて働く、いわゆるフリーランスのツアーコンダクターもいます。
ツアーコンダクターの仕事は通訳案内士の仕事に通じるものがある
通訳案内士の仕事とツアーコンダクターの仕事は、対象となる人が「外国人観光客」か「日本人」かで別れるとも言えます。
しかし、どちらの仕事も「相手を思い、気持ちよく観光をしてもらう」という意味では同じベクトルで仕事をしています。
観光客との気持ちの良いコミュニケーション
観光スポットへの案内
イベントや施設観覧などの予約手続きやチケット手配
宿泊場所の管理・連携
トラブル対応
これらの内容は、まさにどちらの仕事にも通じるところです。
通訳案内士として働く前にツアーコンダクターとして働くことの意味
通訳案内士として働くためには、外国人観光客相手にも上で挙げたようなコミュニケーションをスムーズに取れることが求められます。
そこで、通訳案内士として外国人観光客に対応する前に、ツアーコンダクターとして日本人相手に観光案内をすることで、観光案内のスキルを高めることをおすすめします。
ツアーコンダクターとして働くためには旅行会社などに正社員や派遣社員として勤めたり、フリーで仕事をする人がいます。
このような流れを取ることも頭に入れながら、スキルアップを目指していきましょう。
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